-1.ヨツバゴケ目
(ヨツバゴケ目、ヨツバゴケ科の1科2属3種)

「概略」
 朔歯が4枚の仲間です。日本に、次の2属3種が知られています。
   ヨツバゴケ属Tetraphis(2種)
   コヨツバゴケ属Tetrodontium(1種)

「特徴」(体のつくり)
 名の如く、朔歯は4本で、その形態はこの仲間だけに特異的です。
 配偶体の形態は、ヨツバゴケ属とコヨツバゴケ属の2属間で、たいへん異なっています。
 ヨツバゴケ属は茎が伸び、チョウチンゴケ属のような楕円形の葉をつけます。
 コヨツバゴケ属では、茎が伸びず、棒状の微小な葉があるだけです。

「観察・同定のポイント」
 朔歯が4本であることは、ルーペでみるとよく分かります。
 ヨツバゴケ属の2種は、山地で、主に腐木上や大木の根元に生育します。胞子体を付けていない茎の頂端はカップ状になって、肉眼でも、中に無性芽があるのを見ることができます。
 コヨツバゴケは火山岩上にしばしば生育します。見つけるのは難しく、大きな火山岩がごろごろしている渓谷で、岩壁の側面や窪みの下面がうっすらと緑色をしている場合は、その面を横からすかして見ると、短かくて細い針のような胞子体がまばらに突き出ていて、それとわかります。

「身近な、分かり易い種」
 @ヨツバゴケ:朔柄が真直ぐ。
 @アリノオヤリ:朔柄が中ほどで折れ曲がっている。